現在、世界的に第四次産業革命が起きており、日本は「Society 5.0」を未来社会として目指すことを発表しています。
Society 5.0の実現では、AI人工知能を使って仮想空間と現実空間を融合することで、人と人を繋いだIT時代を越えて、全く新しいモノを創出します。そのなかには、社会の問題を解決したり、新たな経済効果を求めて産業を生み出すことがあります。
本記事では、産業革命の特徴と、内閣府が提示している資料を元にSociety 5.0の説明をします。その後、第四次産業革命が、Society 5.0・SDGs・AIと関係があることを知るために、3つの資料を用意しております。
最後に、AI時代に人間が活躍する事業を見つけるために、開発プロジェクトである「ムーンショット計画」について紹介しています。
産業革命とは?「第四次産業革命とSociety 5.0」
第4次産業革命とは、18世紀末以降の「水力や蒸気機関」による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく「電力」を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの「電子工学や情報技術」を用いた一層のオートメーション化である第3次産業革命に続く、次のようないくつかのコアとなる技術革新を指す2(付図2-1)。
一つ目はIoT及びビッグデータである。工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで、新たな付加価値が生まれている。
二つ目はAIである。人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素を全て与えなくとも、コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことが可能となっている。加えて、従来のロボット技術も、更に複雑な作業が可能となっているほか、3Dプリンターの発展により、省スペースで複雑な工作物の製造も可能となっている。
こうした技術革新により、①大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供、②既に存在している資源・資産の効率的な活用、③AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替などが可能となる。企業などの生産者側からみれば、これまでの財・サービスの生産・提供の在り方が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に向上する可能性があるほか、消費者側からみれば、既存の財・サービスを今までよりも低価格で好きな時に適量購入できるだけでなく、潜在的に欲していた新しい財・サービスをも享受できることが期待される。
引用元:内閣府「第2章 新たな産業変化への対応(第1節)」
それでは、Society 5.0について、内閣府が提示している資料を参考に説明をはじめます。
Society 5.0とは

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
Society 5.0で実現する社会

これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。
Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。
社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合える社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
Society 5.0のしくみ

Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより実現します。これまでの情報社会(Society 4.0)では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(データベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手し、分析を行ってきました。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
Society 5.0では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積されます。サイバー空間では、このビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされます。今までの情報社会では、人間が情報を解析することで価値が生まれてきました。
Society 5.0では、膨大なビッグデータを人間の能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィードバックされることで、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもたらされることになります。
経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0へ

我が国そして世界を取り巻く環境は大きな変革期にあるといえます。経済発展が進む中、人々の生活は便利で豊かになり、エネルギーや食料の需要が増加し、寿命の延伸が達成され、高齢化が進んでいます。また、経済のグローバル化が進み、国際的な競争も激化し、富の集中や地域間の不平等といった面も生じてきています。
これら経済発展に相反(トレードオフ)して解決すべき社会的課題は複雑化してきており、温室効果ガス(GHG)排出の削減、食料の増産やロスの削減、高齢化などに伴う社会コストの抑制、持続可能な産業化の推進、富の再配分や地域間の格差是正といった対策が必要になってきています。
しかしながら、現在の社会システムでは経済発展と社会的課題の解決を両立することは困難な状況になってきています。このように世界が大きく変化する一方で、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術の進展が進んできており、我が国は、課題先進国として、これら先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会であるSociety 5.0の実現を目指しています。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
新たな価値で経済発展と社会的課題の解決を両立

イノベーションで創出される新たな価値により、地域、年齢、性別、言語等による格差がなくなり、個々の多様なニーズ、潜在的なニーズに対して、きめ細かな対応が可能となります。
モノやサービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供されるとともに、社会システム全体が最適化され、経済発展と社会的課題の解決を両立していける社会となります。
その実現には様々な困難を伴いますが、我が国はこの克服に果敢にチャレンジし、課題先進国として世界に先駆けて模範となる未来社会を示していこうとしています。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
各分野における新たな価値の事例
「交通 / 医療・介護 / ものづくり / 農業 / 食品 / 防災 / エネルギー」、7つの「新たな価値」を紹介します。
交通

Society 5.0では、各自動車からのセンサー情報、天気、交通、宿泊、飲食といったリアルタイムの情報、過去の履歴などのデータベースといった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「好みに合わせた観光ルートの提供や天気や混雑を考慮した最適な計画が提案され、旅行や観光がしやすくなること」「自動走行で渋滞なく、事故なく、快適に移動すること」「カーシェアや公共交通の組み合わせでスムーズに移動すること」「高齢者や障がい者でも自律型車いすで一人で移動すること」といったことができるようになるとともに、社会全体としても交通機関からのCo2排出が削減され、地方の活性化や消費の拡大にもつながることになります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(交通)」
医療・介護

Society 5.0では、各個人のリアルタイムの生理計測データ、医療現場の情報、医療・感染情報、環境情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「ロボットによる生活支援・話し相手などにより一人でも快適な生活を送ること」「リアルタイムの自動健康診断などでの健康促進や病気を早期発見すること」「整理・医療データの共有によりどこでも最適な治療を受けること」「医療・介護現場でのロボットによる支援で負担を軽減すること」といったことができるようになるとともに、社会全体としても医療費や介護費などの社会的コストの削減や医療現場等での人手不足の問題を解決することが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(医療・介護)」
ものづくり

Society 5.0では、顧客や消費者の需要、各サプライヤーの在庫情報、配送情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「これまで取引のない他分野や系列のサプライヤーを連携させ、ニーズに対応したフレキシブルな生産計画・在庫管理すること」「AIやロボット活用、工場間連携による生産の効率化、省人化、熟練技術の継承(匠の技のモデル化)、多品種少量生産」「異業種協調配送やトラックの隊列走行などによる物流の効率化を図ること 」「顧客や消費者においてもニーズに合った安価な品物を納期遅れなく入手できる」といったことができるようになるとともに、社会全体としても産業の競争力強化、災害時の対応、人手不足の解消、多様なニーズの対応、GHG排出や経費の削減、顧客満足度の向上や消費の活性化を図ることが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(ものづくり)」
農業

Society 5.0では、気象情報、農作物の生育情報、市場情報、食のトレンド・ニーズといった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「ロボットトラクタなどによる農作業の自動化・省力化、ドローンなどによる生育情報の自動収集、天候予測や河川情報に基づく水管理の自動化・最適化などによる超省力・高生産なスマート農業を実現すること」「ニーズに合わせた収穫量の設定、天候予測などに併せた最適な作業計画、経験やノウハウの共有、販売先の拡大などを通じた営農計画の策定すること」「消費者が欲しい農作物を欲しい時に入手が可能になること」「自動配送車などにより欲しい消費者に欲しい時に農産物を配送すること」といったことができるようになるとともに、社会全体としても食料の増産や安定供給、農産地での人手不足問題の解決、食料のロス軽減や消費を活性化することが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(農業)」
食品

Society 5.0では、個人のアレルギー情報、食品情報、各家庭の冷蔵庫内の食品情報、店舗の在庫情報、市場情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「アレルギー情報や個人の嗜好に合わせた食品を提案してもらえるようになり、購入の利便性を向上すること」「冷蔵庫の食材管理が自動でなされ、必要な分だけ発注・購入することができ、食品ロスを削減すること」「家族の嗜好や日々の健康状態などに合わせた料理の提案を受けることができ、快適に食事を取ること」「生産者や店舗としても顧客ニーズに合った生産や発注、在庫管理を行うこと」といったことができるようになるとともに、社会全体としても食料ロスの軽減や食品産業の競争力強化を図ることが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(食品)」
防災

Society 5.0では、人工衛星、地上の気象レーダー、ドローンによる被災地観測、建物センサーからの被害情報、車からの道路の被害情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「被害状況を踏まえ、個人のスマホ等を通じて一人一人へ避難情報が提供され、安全に避難所まで移動すること」「アシストスーツや救助ロボットにより被災者の早急な発見と被災した建物からの迅速な救助」「ドローンや自動配送車などによる救援物資の最適配送を行うこと」といったことができるようになるとともに、社会全体としても被害の軽減や早期復興を図ることが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(防災)」
エネルギー

Society 5.0では、気象情報、発電所の稼働状況、EVの充放電、各家庭での使用状況といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「的確な需要予測や気象予測を踏まえた多様なエネルギーによって安定的にエネルギーを供給すること」「水素製造や電気自動車(EV)等を活用したエネルギーの地産地消、地域間で融通すること」「供給予測による使用の最適提案などによる各家庭での省エネを図ること」といったことができるようになるとともに、社会全体としてもエネルギーの安定供給やGHG排出の削減などの環境負荷の軽減を図ることが可能となります。
※引用元:内閣府「Society 5.0・事例(エネルギー)」
Society 5.0による「人間中心の社会」

これまでの社会では、経済や組織といったシステムが優先され、個々の能力などに応じて個人が受けるモノやサービスに格差が生じている面がありました。Society 5.0では、ビッグデータを踏まえたAIやロボットが今まで人間が行っていた作業や調整を代行・支援するため、日々の煩雑で不得手な作業などから解放され、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができるようになります。
これは一人一人の人間が中心となる社会であり、決してAIやロボットに支配され、監視されるような未来ではありません。また、我が国のみならず世界の様々な課題の解決にも通じるもので、国連の「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成にも通じるものです。
我が国は、先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、イノベーションから新たな価値が創造されることにより、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「Society 5.0」を世界に先駆けて実現していきます。
※引用元:内閣府「Society 5.0」
Society 5.0の先行的な実現の場「スマートシティ」
Society 5.0の実現に向けて、政府では地域におけるICT 等の新技術を活用したマネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、 都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域、すなわち「スマートシティ」を推進しています。
※引用元:内閣府「Society 5.0」 ※スマートシティ
第四次産業革命「Society 5.0」の説明はここまで
いかがでしたでしょうか。新しい社会を把握するために、第四次産業革命「Society 5.0」について説明しました。
Society 5.0では、IoTやAI技術を使いながら、情報の共有・分析をすることで新しい価値を生み出します。具体的な新しい価値としては、「交通 / 医療・介護 / ものづくり / 農業 / 食品 / 防災 / エネルギー」があります。
AI人工知能の学習機能によって、必要な時に情報が提供されるようになりますので、ロボットが成長したり、車の自動走行などで、少子高齢化や地方の過疎化対策を目指しています。これによって、大きく世の中の常識が変わっていくことが分かります。
第四次産業革命【Society 5.0・SDGs・AIの関係性】
ここでは、第四次産業革命が、Society 5.0・SDGs・AIと関係があることを知ってもらうために、3つの資料を用意しました。
それでは、詳しく見ていきましょう。
Connected Industries
「Connected Industries」とは?
※参考:経済産業省「Connected Industries」
第四次産業革命による技術の革新を踏まえて、Society5.0の社会を実現していくために、ものづくりの現場に蓄積されている「膨大なデータ+IoT+AI」を組み合わせて、そして、データを使って人・機械・技術など様々なモノに繋げて、新たな製品・サービス・価値を生み出すことや、社会課題の解決を目指す産業の在り方を「Connected Industries」と称しました。
Society 5.0 for SDGs

メニュー経団連は、SDGsの達成に向けて、革新技術を最大限活用することにより経済発展と社会的課題の解決の両立するコンセプト「Society 5.0」を提案します。
※参考:Society 5.0 for SDGs
AI for Good グローバル・サミット

Society 5.0の社会には、必ずAI人工知能が使われていますが、国連ITUの 「AI for Good グローバル・サミット」では、「AIはSDGsを達成するための手段として開発されるべきである」と議論されました。
「AI for Good グローバル・サミット」は、AIに関する国際イベントで、日本では総務省が担当しています。政府、産業界、学術界、各メディア、37の国連関係機関、米国コンピュータ情報学会(ACM)、XPRIZE財団が集合しています。
※参考:国連ITU AI for Good Global Summit
第四次産業革命との関係性を説明するために、Connected Industries、Society 5.0 for SDGs、AI for Good グローバル・サミットを提示しました。このことから、日本が目指す「Society 5.0」は、SDGsの解決をするための大きなプロジェクトということが分かります。
最後に【当社の考え】ムーンショット計画・AI時代に人間が活躍する事業
ここでは、Society5.0の実現により、AI時代に人間が活躍する事業を見つけるために、開発プロジェクトである「ムーンショット計画」を紹介します。
ムーンショット計画のプロジェクト内容としては、AIロボットで完全無人化経営にすることや、病気の早期発見・新薬で治療、新しい食材・食品開発、正確なお天気情報を取得する機能、台風のエネルギーを利活用して暮らしに役立てること…などがあり、既に研究や開発は始まっています。
このムーンショット計画の説明に加えて、記事下の最後に、AI時代の生活スタイルや仕事について当社の考えを掲載しています。
たとえば、テクノロジーの進化によって、完全自動化にする業界が多くなりますが、事業者として人材雇用を続けるのであれば、DX化できない業種・職種が分かると、従業員が活躍できるような仕事を準備することができます。また、AI時代に向けて既に開発されている商品やサービスなども紹介していますので、新しい事業を考える際、参考にしていただければと思います。
少しお時間をいただきますが、プロジェクト内容である「ムーンショット計画」を、読んでいただければと思います。
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ムーンショット計画1のアバターは、「遠隔操作」などができるようになります。既に、遠隔操作の実証実験が始まっており、身体が不自由な方がアバターを使って、カフェのホールスタッフを行っています。
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ムーンショット計画目標1【アバターの特徴】新しい社会に変わった後の生活費
ということで、今回は以上です。
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