ムーンショット計画の目標6では、「量子コンピュータの克服」を行っています。量子コンピュータが改善することで、私たちが普段使っている物が、より高性能な物へと進化して暮らしに役立てていきます。
【ムーンショット計画 目標6】
2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
本記事では、初めて方向けに量子コンピュータの解説した後、内閣府が提示している資料を元にムーンショット計画目標6について説明します。
そして最後に、量子コンピュータの克服によって、これまで以上にテクノロジーが進化することで、人間の活躍に着目し、「人とAIの融合」をテーマにした事業アイディアについて、当社の考え欄にてお話しています。
量子コンピュータとは?

量子コンピュータとは、超高速で計算処理を行う優れたコンピュータです。
量子の仕組みと研究の元は欧米からはじまり1960年代ごろから今の研究の元が生まれ2016年にはIBM Quantum社が量子ハードウェアを完成発表をおこなっている[2]この企業は量子プロセッサを研究、定期的に新しく開発者に公開をおこなっている日本がこの分野で広がりはじめたのは1990年代前後で2000年頃アメリカのIT革命のビックバン以降から日本もニュースとして取り上げ出し現時点この分野での研究と関連の論文数は欧米や中国につぐといわれる。2000年以降に発表された量子コンピュータに関する論文の数は3万本近く存在するそのうち「量子ゲート」方式の研究は数多く行われている。「0」「1」で表す情報として「ビット」(古典ビット)を使う古典型と「量子ビット」 (英: qubit; quantum bit、キュービット) は量子状態の重ね合わせ(量子波動関数)を使い「0」「1」と重ね合わされた結果を確率に従ってランダムに選ばれた結果が1つ得られるような仕組みになっている。
※参考:Wikipedia「量子コンピュータ」
現在はスーパーコンピュータによって、新薬や素材の開発をしていますが、将来的には量子コンピュータに切り替えていくことを考えています。
その理由の一つとして、実際にGoogle社が、「最先端のスーパーコンピュータが、約1万年かかる問題を、量子コンピュータを使って3分20秒で解くことができた。」という実験結果を発表したからです。
※参考記事「Googleが1万年かかる計算問題を3分20秒で解き終える量子コンピューターを完成させる」
補足:通常のコンピュータと量子コンピュータの違い
通常のコンピュータと量子コンピュータの違いは、ビットの仕組みにあります。通常のコンピュータは、0か1のビットを使って16通りで表示し、あらゆる情報の処理を行っています。
量子コンピュータは、通常のコンピュータのビットと比較して、大元の仕組みが大幅に異なり、0と1を両方持ち合わせ、その性質を活かして何通りもの計算を一気に処理することができます。ですから、量子コンピュータは「超高速」と言われています。
ムーンショット計画6「ターゲット」
- 2050年頃までに、大規模化を達成し、誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現する。
- 2030年までに、一定規模のNISQ量子コンピュータを開発するとともに実効的な量子誤り訂正を実証する。
誤り耐性型汎用量子コンピュータは、大規模な集積化を実現しつつ、様々な用途に応用する上で十分な精度を保証できる量子コンピュータ。
NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)量子コンピュータは、小中規模で誤りを訂正する機能を持たない量子コンピュータ。
※引用元:内閣府「ムーンショット計画6」
ムーンショット計画6「関連するエリアとビジョン」
Area :「サイエンスとテクノロジーでフロンティアを開拓する」
Vision :「未踏空間の可視化(量子から地球まで)」
※引用元:内閣府「ムーンショット計画6」
ムーンショット計画6「目標の背景」
・Society 5.0の実現に向けて、コンピュータ、ディープラーニング及び組み合わせ最適化手法の需要が爆発的に増加する。
・コンピュータの性能は、半世紀以上にわたって進歩してきたが、ムーアの法則と呼ばれる従来のコンピュータの進歩には限界がある。
・現在のスーパーコンピュータが、現在と同じ速度で進歩し続けると仮定しても、多くの重要な計算タスクは、スーパーコンピュータでの処理が困難、または現実的な時間で解くことが不可能である。・量子計算は、従来のコンピュータとはまったく異なる原理に基づいており、現実的な時間で重要な計算タスクを実行可能であることは世界の共通認識になっている。
・しかし、今日の小規模な量子コンピュータ(NISQ)はノイズの影響を受けており、実行できるアプリケーションは限定的である。※引用元:内閣府「ムーンショット計画6」
・量子コンピュータ、量子センサー、量子通信・暗号等の量子技術と、従来の情報技術との組み合わせ、量子技術によるまったく新しい社会の到来が期待される。
ムーンショット計画6「目指す社会」
ムーンショットが目指す社会
※引用元:内閣府「ムーンショット計画6」
・量子コンピュータを含む量子技術を応用し、様々な分野で革新を生み出し、知識集約型社会へのパラダイムシフトや既存の社会システムを変革する。
・目標の達成とその過程においてスピン・オフ、スピン・アウトする量子技術により、産業競争力の強化、革新的な医療と健康管理、デジタル情報時代の安全とセキュリティを確保する。
・材料開発では、詳細な機能分析により、既存材料の性能を最大化するとともに、新しい性能を持つ材料の開発を加速する。
・エネルギー分野では、高精度量子化学計算による窒素固定法や高効率人工光合成法の原理を解明するとともに、工学的応用手法を開発する。
・創薬分野では、より大きな分子系における量子化学シミュレーションにより新薬の発見を促進し、合理化されたワークフローによってコストを削減する。
・経済分野では、迅速でエネルギー消費の少ない逐次大規模計算により、短期的ポートフォリオの最適化と長期的リスク分析に対応する。
・輸送、交通等の物流分野では、巡回セールスマン問題等の最適化問題を解き、サプライチェーンとスケジューリングの合理化による交通渋滞を緩和する。
・大規模シミュレーションとAIによる天気予報の精度の向上、災害の早期警報、企業価値の高精度予測及び金融商品の取引戦略の強化を実現する。
ムーンショット計画6「アニメーションで解説」
量子コンピューターハードウェア、それらを量子的に接続する量子通信ネットワーク、それらを動作させた上で量子誤り訂正を行い、誤り耐性をもたせるための理論・ソフトウェアの、3つのカテゴリの研究プロジェクトを推進し、有機的なコラボレーションによって、目標達成を目指します。
ムーンショット計画6「プロジェクト一覧」
- 誤り耐性型量子コンピュータにおける理論・ソフトウェアの研究開発
- 量子計算網構築のための量子インターフェース開発
- イオントラップによる光接続型誤り耐性量子コンピュータ
- 誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発
- 大規模集積シリコン量子コンピュータの研究開発
- ネットワーク型量子コンピュータによる量子サイバースペース
- 超伝導量子回路の集積化技術の開発
- ナノファイバー共振器QEDによる大規模量子ハードウェア
- 大規模・高コヒーレンスな動的原子アレー型・誤り耐性量子コンピュータ
- スケーラブルな高集積量子誤り訂正システムの開発
- 拡張性のあるシリコン量子コンピュータ技術の開発
- スケーラブルで強靭な統合的量子通信システム
※引用元:内閣府「ムーンショット計画6」
誤り耐性型量子コンピュータにおける理論・ソフトウェアの研究開発
・プロジェクト概要「ソフトウェア」
量子情報、アーキテクチャおよび物理系の研究者を結集し、量子ビットの設計、誤り耐性方式の実装、効率的に計算を実行するためのコンパイラや言語までを包含した協調設計モデルを構築します。それにより、2050年には、大規模な量子コンピュータの実現を目指します。
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
量子計算網構築のための量子インターフェース開発
・プロジェクト概要「通信ネットワーク」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
超伝導量子ビットと通信用光子をつなぐため、量子メモリとオプトメカニカル結晶を融合した量子インターフェースを開発します。それにより、2050年には、大規模な超伝導量子コンピュータの実現を目指します。
イオントラップによる光接続型誤り耐性量子コンピュータ
・プロジェクト概要「ハードウェア」
複数のイオントラップを光で連結する新しいアイデアにより、従来技術では達成できない、大規模化が容易なイオントラップデバイスを開発します。それにより、2050年には、大規模な量子コンピュータの実現を目指します。
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発
・プロジェクト概要「ハードウェア」
独自に開発した量子ルックアップテーブル法を発展させ、大規模な誤り耐性のある量子演算を実現します。それにより、2050年には、常温動作を特徴とする大規模な光量子コンピュータの実現を目指します。
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
大規模集積シリコン量子コンピュータの研究開発
・プロジェクト概要「ハードウェア」
半導体の回路集積化技術を活かし、シリコン量子ビットの大規模化、高集積化を実現します。それにより、2050年には、高集積性・低消費電力を特徴とする大規模な量子コンピュータの実現を目指します。
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
ネットワーク型量子コンピュータによる量子サイバースペース
・プロジェクト概要「通信ネットワーク」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
光、原子、半導体等の量子コンピュータハードウェアをネットワーク化するための要素技術を開発し、複数の中小規模量子コンピュータを接続した「ネットワーク型量子コンピュータ」を構築します。それにより、2050年には、さらなる大規模化を進め、汎用的な量子コンピュータの実現を目指します。
超伝導量子回路の集積化技術の開発
・プロジェクト概要「ハードウェア」
超伝導量子コンピュータの研究開発を加速するため、超伝導量子ビットの大規模化、高集積化に必要とされるハードウェア要素技術を開発します。それにより、2050年には、大規模な超伝導量子コンピュータの実現を目指します。
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
ナノファイバー共振器QEDによる大規模量子ハードウェア
・プロジェクト概要「ハードウェア」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
日本発の独自技術であるナノファイバー共振器QEDに基づく新方式の量子コンピューターハードウェアを開発します。単ユニットの10,000物理量子ビット程度までの大規模化とその分散化、さらに最終的な社会実装までを推進します。それにより、2050年には、圧倒的に大規模な量子ビット数を持つ分散型の誤り耐性汎用量子コンピューターと量子インターネットの実現を目指します。
大規模・高コヒーレンスな動的原子アレー型・誤り耐性量子コンピュータ
・プロジェクト概要「ハードウェア」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
光ピンセットを用いて大規模に配列させた冷却原子量子ビットの各々を、自在かつ高速に移動させつつゲート操作、誤り検出・訂正を行う動的量子ビットアレーを実装します。さらに、緊密な産学連携の下で全ての構成要素を統合・パッケージ化し、従来に無い高い安定性とユーザビリティを達成します。これらのイノベーションにより、2050年までに経済、産業、安全保障に革新をもたらす誤り耐性量子コンピュータの実現を目指します。
スケーラブルな高集積量子誤り訂正システムの開発
・プロジェクト概要「ハードウェア」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
本プロジェクトでは誤り耐性汎用量子コンピュータを実現するために、エラー訂正のための古典ハードウェア向けアルゴリズムとスケーラブルバックエンド、スケーラブルな量子-古典間入出力フロントエンド、それらのLSI化、量子-古典入出力の高帯域・低電力化のための極低温動作光集積回路の技術課題に取り組みます。それにより2050年に100万物理量子ビット規模の汎用量子コンピュータの誤り訂正システムを実現します。
拡張性のあるシリコン量子コンピュータ技術の開発
・プロジェクト概要「ハードウェア」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
シリコン量子コンピュータは産業技術との互換性や集積性の点で優れていますが、まだ大規模化への展開が見えていません。本研究では、スパースな集積化と中距離量子結合により拡張性のある単位構造を作製し、その繰り返しにより量子コンピュータを大規模化します。2030年までに大規模化に適した基盤技術を開発し、その後半導体産業と連携して開発を加速し、2050年には汎用量子コンピュータを実装します。
スケーラブルで強靭な統合的量子通信システム
・プロジェクト概要「通信ネットワーク」
※引用元:科学技術振興機構「ムーンショット計画6」
本プロジェクトでは、分散型大規模量子コンピュータの主要技術である汎用量子通信ネットワークのテストベッドを構築し、実運用を見据えた通信アーキテクチャやプロトコル等の原理・技術実証にハードウェア・ソフトウェアを統合して取り組みます。本プロジェクトの成果は分散型大規模量子コンピュータのみならず量子インターネットにも繋がり、両者を両輪とする、量子情報を自在に生成・流通・分散処理する世界の実現に貢献します。
ムーンショット計画6の説明はここまで
いかがでしたでしょうか。
ムーンショット計画6では、量子技術を応用して、様々な分野で革新を生み出し、知識集約型社会へのパラダムシフトや、現在の社会システムを変革します。また、産業競争力の強化、革新的な医療と健康管理、デジタル情報のセキュリティを確保します。材料、エネルギー、創薬、経済、輸送・交通、天気・災害警報など…多くの開発に関連しています。
最後に【当社の考え】
最後に、以下について当社の考えをお話します。
- 人とAIの融合をした「事業アイディア」
人とAIの融合をした「事業アイディア」
ここでは、「人とAIの融合」をテーマにした、事業アイディアの出し方についてお話します。
新しい事業を考えるときに、物を開発するのではなく、サービスの提供から考えていくと良いです。何故ならば、サービス内容を考えてから、ハード(有形)を開発する方が無駄がないからです。逆に、ハードを先に作ってしまうと物販になるので、在庫を抱えたり、物や道具が壊れたときにフォローするだけの費用を持っておかないといけません。

無形サービスの種類
無形のサービスとしては、対面接客サービス、放送サービスなどが思いつきます。
対面接客サービス
対面接客サービスというと、ムーンショット計画1のアバターを活用した接客サービスがありますが、自動で接客できるサービスはこれから増えていくと思います。
接客に関連して、現在、アバターとVRを組み合わせた、ファイナンシャルプランナーと会話ができるコンテンツをアメリカで開発しているので、これから日本の銀行・保険などの金融業界も大きく変化していきます。
放送サービス
インターネットの普及により、動画・写真・文章の工夫次第で、情報を広めることができるWEB媒体が増えています。これによって、地上波テレビ・ラジオだけが放送ではなくなったので、個人でも活動しやすくなりました。
ChatGPT
動画などのコンテンツ制作も、人とAIが融合したサービスになります。既に「ChatGPT」というサービスも出ており、コンテンツのテーマ(ネタ)・文章など…、AIが自分に合った内容を考えてくれるものです。
ChatGPTが出たことで、記事コンテンツをつくるライターなどの仕事は、これから減ると思います。その分、ChatGPTが提示したこと内容を元に、著作権に引っかからないようにチェックをしたり、人間らしい感情を入れたり、オリジナル性を高めるよう、人間がディレクターに専念できるので、コンテンツの品質が上がることが期待できます。
そして、ChatGPTを活用する場合、問いかけ方も重要になるので、AIを使いこなせない人向けに、AI機能を上手く使うためのサービス提供も思いつきます。
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次のムーンショット計画7は、細胞の若返りを行う研究を行っています。新薬を使って、冬眠技術の実現もできるようになります。
ムーンショット計画は、人間の「健康」に着目しており、ムーンショット計画2で紹介しましたヘルスチェック(健康診断)に次いで、「健康寿命延伸医療」の開発を行います。
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ムーンショット計画目標7【健康寿命延伸】健康から考える「新しい事業」
ということで、今回は以上です。
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