ムーンショット計画の目標2では、私たちが日常生活を送りながら、ヘルスチェック(健康診断)ができる測定器の開発を行います。
そして、ヘルスデータを集めて解析することで、病気発症の原因となるものを防ぐための研究に役立てます。
【ムーンショット計画 目標2】
2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
本記事では、内閣府が提示している資料を元にムーンショット計画目標2について説明します。
そして最後に、現在開発されている「医療+テクノロジー」の紹介と、健康商品のアイディア事例を、当社の考え欄にてお話します。
ムーンショット計画2「ターゲット」

- 2050年までに、臓器間の包括的ネットワークの統合的解析を通じて疾患予測・未病評価システムを確立し、疾患の発症自体の抑制・予防を目指す。
- 2050年までに、人の生涯にわたる個体機能の変化を臓器間の包括的ネットワークという観点で捉え、疾患として発症する前の「まだ後戻りできる状態」、すなわち「未病の状態」から健康な状態に引き戻すための方法を確立する。
- 2050年までに、疾患を引き起こすネットワーク構造を同定し、新たな予測・予防等の方法を確立する。
- 2030年までに、人の臓器間ネットワークを包括的に解明する。
※引用元:内閣府「ムーンショット計画2」
ムーンショット計画2「関連するエリアとビジョン」
Area :「急進的イノベーションで少子高齢化時代を切り拓く」、「サイエンスとテクノロジーでフロンティアを開拓する」
Vision :「100歳まで健康不安なく、人生を楽しめる社会」の実現、「基本的生命過程の制御技術 (バイオ)」、「脳神経メカニズムの全解明 (脳・神経系)」
※引用元:内閣府「ムーンショット計画2」
ムーンショット計画2「目標の背景」
・高齢化等に起因する慢性疾患等(糖尿病、高血圧、動脈硬化、アレルギー、認知症、神経障害等)に係る社会問題は大きな課題となっており、慢性疾患等の予防が急務となっている。
※引用元:内閣府「ムーンショット計画2」
・慢性疾患等の発症メカニズムの解明はまだ不十分であり、根本的な予測・予防方法はまだ確立されていない。
・各臓器が担う生体機能を相互依存的なネットワークとして捉え、その破綻によって病態が形成されるという考え方に基づき、破綻を防ぎ、健康な状態を維持するという考えが重要であると認識されつつある。
・例えば、パーキンソン病については腸内の異常タンパク質が、がんについては睡眠等の生活リズムが関係している可能性がある等、意外な臓器間のつながりにより疾患が発症することが示唆されている。
・臓器間ネットワークに関連する知見を蓄積し利活用することにより、慢性疾患等の予測方法を確立でき、さらに将来的には新たな治療・緩和方法の開発につながる可能性がある。
・臓器間ネットワークの包括的な解明に向けた取組は、Human Cell Atlas(米)、Brain Initiative(米)、Human Brain Project(欧)等の欧米の大型プロジェクトでも実施されていない先駆的な試みである。
ムーンショット計画2「目指す社会」
ムーンショットが目指す社会
※引用元:内閣府「ムーンショット計画2」
・従来のアプローチで治療方法が見いだせていない疾患に対し、新しい発想の予測・予防方法を創出し、慢性疾患等を予防できる社会を実現する。
・疾患を引き起こすネットワーク構造を解明することで、加齢による疾患の発症メカニズム等を明らかにし、関連する社会問題を解決する。
・疾患の発症メカニズムの解明により、医薬品、医療機器等の、様々な医療技術を発展させ、我が国の健康・医療産業の競争力を強化する。
ムーンショット計画2「アニメーションで解説」
ヘルスチェックを行い、個々に合った食生活をして、健康状態を維持している未来社会が描かれています。
ムーンショット計画2「プロジェクト一覧」
- 複雑臓器制御系の数理的包括理解と「超早期精密医療」への挑戦
- 生体内ネットワークの理解による「難治性がん」克服に向けた挑戦
- 恒常性の理解と制御による「糖尿病および併発疾患」の克服
- 臓器連関の包括的理解に基づく「認知症」関連疾患の克服に向けて
- 「ウイルス」-人体相互作用ネットワークの理解と制御
※引用元:内閣府「ムーンショット計画2」
1:複雑臓器制御系の数理的包括理解と「超早期精密医療」への挑戦
・プロジェクト概要
数理データ解析や数理モデル解析などの数理研究を、臓器間相互作⽤と制御に関する実験研究と、統合する研究を実施します。それにより、2050年には、臓器間ネットワークを複雑臓器制御系として、包括的に理解し、超早期精密医療へ応⽤することで、疾患の超早期予防システムが整備された社会の実現を⽬指します。
※引用元:内閣府「複雑臓器制御系の数理的包括理解と超早期精密医療への挑戦」
2:生体内ネットワークの理解による「難治性がん」克服に向けた挑戦
・プロジェクト概要
細胞⽣物学、イメージング技術、数理・AI技術などを統合的に活⽤して、膵臓がんなどの難治性がんの発症と悪性化の仕組みを明らかにします。それにより、2050年には、難治性がんの発症を予測して予防する事ができる社会の実現を⽬指します。
※引用元:内閣府「⽣体内ネットワークの理解による難治性がん克服に向けた挑戦」
3:恒常性の理解と制御による「糖尿病」および併発疾患の克服
・プロジェクト概要
AI・数理モデル解析などを活⽤して、代謝・循環の調節に重要である⾃律神経を介した臓器間ネットワークの機序を包括的に解明し、その制御⼿法を開発し、未病期段階の状態をより精密に検出します。それにより、2050年には、糖尿病および併発疾患の発症を未然に防ぐ社会の実現を⽬指します。
※引用元:内閣府「恒常性の理解と制御による糖尿病および併発疾患の克服」
4:臓器連関の包括的理解に基づく「認知症」関連疾患の克服に向けて
・プロジェクト概要
新規イメージング・計測・操作技術の開発などにより、脳と全⾝臓器ネットワークの機能とその破綻を分⼦・細胞・個体レベルで解明します。それにより、2050年には、認知症関連疾患の超早期の発症予測法と予防法を開発し、先制医療を享受できる社会の実現を⽬指します。
※引用元:内閣府「臓器連関の包括的理解に基づく認知症関連疾患の克服に向けて」
5:「ウイルス」人体相互作用ネットワークの理解と制御
・プロジェクト概要
ウイルスと⼈体の相互作⽤ネットワークを解析し、そのパターンを分類整理することにより、未知のウイルス感染症に対しても有効な診断・予防・治療法を先制的に準備します。それにより、2050年には、ウイルス感染症の脅威から解放された社会の実現を⽬指します。
※引用元:内閣府「ウイルス-⼈体相互作⽤ネットワークの理解と制御」
ムーンショット計画2の説明はここまで
いかがでしょうか。今回の内容を簡単にまとめます。
従来のやり方で治療方法が見いだせていない新刊に対し、新しい予測や予防方法を創り出します。また、疾患を引き起こすネットワークの構造を解明し、加齢による疾患のメカニズムなどを明らかにすることで、社会問題の解決、医薬品や医療機器などの開発をし、日本人の健康・医療産業の強化をします。
最後に【当社の考え】
最後に、以下について当社の考えをお話します。
- 新しい時代の「医療+テクノロジー」
- アイディア事例
新しい時代の「医療+テクノロジー」
現在使われている、医療用テクノロジーとしては、手術や治療を行いながら、ARグラスに入院歴や治療歴や、3Dでデータ化した患者の臓器や骨を表示できるようになっています。
また、「がん検診」ができるAIもあります。まだ正常画像の誤認識はありますが、AIモデルの精度としては、これまでのがん検診と比べると、異常ありの見逃しは少なくなっていますので、今後の技術向上が楽しみです。
アイディア事例
ヘルスチェック機器の開発が進むに連れて、運動器具、サプリメントなどの健康食品、食品開発、飲食店、食品販売店(ECサイト含む)なども、少しずつ変わる思います。
それに加えて、行政・企業がメディアを通じて、新しい食品や健康に対する呼び掛けをすることで、国民一人ひとりの健康意識が上がるでしょう。
この後、ムーンショット計画4・ムーンショット計画5にて、「従来からある食品」と「新しい食品」について紹介していますが、食べ物に関しては好みがあるので意見が分かれます。
それも踏まえた上で、健康に関するアイディアの出し方をお伝えします。

健康産業は、日用品が多いのでアイディアが出しやすいです!
それは、日常生活をする中で、人が不便に感じていることを発見しやすかったり、友達との何気ない会話から出る一言がヒントになるからです。
たとえば、「フルーツ青汁」が生まれたときは、既に青汁は流行っていたのですが、「体の健康には良いけど、苦くて飲みにくい…」という、消費者の悩みを解決するために甘さを足して飲みやすくして大ヒットしました。
このような感じで、自分が売りたいものというよりは、消費者が悩んでいることを解決策するような物やサービスを提供していくことが大切です。
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次のムーンショット計画3では、自発的に考え行動できる「AIロボット」の開発しています。
20年後、30年後、生産人口が減ってしまうことや、経済効果を高めることを目的としています。AIロボットを使って「完全自動化」の産業をつくることを目指します。
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ムーンショット計画目標3【AIロボット】完全無人化経営にした後の課題「障がい者雇用」
ということで、今回は以上です。
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